人を動かすリーダーが実践するデール・カーネギー人間関係の原則⑦⑧⑨ ― 聴く力・関心・承認が組織を強くする
「部下が本音を話してくれない」「チームに一体感がない」「指示は出しているのに、主体性が育たない」
──その原因は、スキル不足ではなく人間関係の築き方にあるかもしれません。
これまで、人を批判しない、承認する、相手の欲求を理解するなどの原則を見てきました。
今回は、成果を出し続けるリーダーに共通する最後の3つの人間関係スキルを解説します。
Q1. なぜ「よい聞き手」になることが、リーダーシップの要なのか?
原則⑦:よい聞き手になる。相手に自分のことを話させる。
「部下の話は長いし、結論が見えないから途中で聞くのをやめてしまう」
──それでは、信頼されるチームは決して育ちません。
優れたリーダーは、相手に本気で関心を持ち、質問を通じて理解を深めることを意識的に行っています。
人を知るための“記憶リンク法”
会話の糸口として使える7つの視点があります。
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名前(Nameplate):正確に発音できていますか?名前を大切に扱う姿勢は強い承認になります
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住まい(House):今・過去・将来どこで暮らしたいか
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家族(Family):家族構成や子どもの話題は信頼関係を深めます
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仕事(Briefcase):日々何に取り組み、何に悩んでいるのか
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旅行(Airplane):行った場所、行きたい場所、印象に残った体験
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趣味(Tennis Racket):仕事以外で何に情熱を注いでいるのか
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考え(Ideas):業界動向、経済、面白いと感じた情報や変化
これらを意識して質問することで、相手は「理解されている」と感じ始めます。
ミニサマリー
👉 聴く力とは、沈黙することではなく「相手に語る場を与える力」です。
Q2. 相手の関心が分からない場合、どうすればいいのか?
原則⑧:相手の関心に合わせて話をする。
「相手の興味が分からないから、話が広がらない」
──それは自然なことです。最初から分かる必要はありません。
答えはシンプルです。
さらに質問すること。そして原則⑦に立ち返り、聴くことです。
多くの部下は、
「この上司は信頼できるのか?」
「本音を話しても大丈夫か?」
を慎重に見極めています。
質問を重ね、共通点を見つけ、関心を示し続けることで、信頼は少しずつ育ちます。
ミニサマリー
👉 相手の関心は「聞き出すもの」ではなく、「信頼の中で自然に見えてくるもの」です。
Q3. なぜ「重要感」を与えることが、組織の成果を左右するのか?
原則⑨:重要感を与える ― 誠意をこめて。
誰もが「自分の仕事は意味がある」「自分は組織にとって必要な存在だ」と感じたいものです。
しかし現実には、結果ばかりが評価され、努力やプロセスが見過ごされがちです。
人は機械ではありません。
行動の源泉は、心構え・意欲・コミットメントです。
だからこそ、リーダーには
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誠実さ
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正直さ
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本物の関心
が求められます。
これらが欠けると、原則は単なる操作やテクニックになってしまいます。
人は操作をすぐに見抜きます。そして、ついてこなくなります。
ミニサマリー
👉 重要感は「与えるもの」ではなく、「感じてもらうもの」。その鍵は誠実さです。
要点整理
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聴く力は、信頼と主体性を引き出すリーダーの必須スキル
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相手の関心は質問と傾聴によって自然に明らかになる
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人は承認され、重要だと感じたときに最も力を発揮する
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原則は誠実さとセットで使ってこそ、影響力になる
今週、あなたは誰の話を「本気で聴く」時間をつくりますか?
小さな一歩が、チームの信頼と成果を大きく変えます。
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