マネジャーからリーダーへ脱皮できているか?―「管理する人」と「導く人」の決定的な違い
「成果を出して昇進したのに、なぜチームの数字が伸びないのか?」
「忙しさは倍増したのに、手応えは減っている」
──それは、“仕事のやり方”を変えないまま役割だけが変わったからかもしれません。
個人プレイヤーとして成果を出し続け、ついにリーダーに昇進。
しかし頭の中は、まだ生産モードのまま。
自分の成果に加え、チーム全体の成果にも責任を負う──
このメンタルの転換ができるかどうかで、キャリアは大きく分かれます。
Q1. なぜ昇進直後の人は「管理」に走ってしまうのか?
― マネジャーになっても、リーダーにはなっていない理由
昇進直後、多くの人が手を付けるのは
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数字チェック
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マイルストーン管理
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報告・進捗・手順
といった機械的で分かりやすい仕事です。
なぜなら、それは「自分でコントロールできる」から。
しかし、それはマネジャーの仕事であって、組織が本当に求めているのはリーダーです。
マネジャーは世の中に溢れています。
一方、人と組織を前進させられるリーダーは希少資源です。
ミニサマリー
👉 管理できる人は多い。導ける人は少ない。
Q2. マネジャーとリーダーの決定的な違いとは?
― 「やらせる人」と「向かわせる人」
マネジャーの役割
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期限通り
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品質基準通り
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予算内
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正しい順序
を守らせ、生産量を確保すること。
リーダーの役割
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戦略を描く
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ビジョンを示す
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文化をつくる
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人を育てる
この「人を育てる」部分が、最も難しく、最も重要です。
ミニサマリー
👉 マネジャーは仕事を回す。リーダーは人を育てる。
Q3. なぜ「管理しすぎ」も「放任」も危険なのか?
― プロセスと人の“致命的なバランス崩壊”
管理しすぎの罠(マイクロマネジメント)
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細かく指示
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常にチェック
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ミス探し中心
人はロボット扱いされ、考えなくなり、挑戦しなくなり、成長が止まります。
放任の罠(無関心型リーダー)
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自分の仕事で手一杯
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チェック不足
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監督不在
一見自由に見えますが、安全・コンプライアンス違反が起きれば、責任を問われるのはリーダーです。
最悪の場合、法的責任を負うこともあります。
ミニサマリー
👉 管理ゼロも、管理過多も、どちらも組織を壊す。
Q4. リーダーの仕事は「どこまで管理するか」を決めること?
― 自由と統制の最適点を探る
リーダーの本当の仕事は、
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どこに統制が必要か
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どこは任せていいか
を意図的に決めることです。
人は、「自分が関わって作った仕組み」を支持します。
だからこそ、プロセス改善やルール設計には現場を巻き込む必要があります。
自問してみてください。
「自分は、コントロールのかけ方を誤っていないか?」
ミニサマリー
👉 統制は恐れからではなく、目的から設計する。
Q5. なぜ「やる人」で居続けるリーダーは失敗するのか?
― リーダーとプレイヤーの二重苦
昇進した人の多くは、「その仕事が一番できた人」です。
しかし、チームを見る立場になると気づきます。
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部下は自分と違う
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動機も価値観も違う
それでも「任せるのが怖い」「失敗の責任を負いたくない」と考え、自分でやり続ける。
短期的には成果が出ます。
しかし目標は年々上がり、一人では限界が来ます。
結果、
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チームが育たない
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数字が出ない
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責任はリーダーに集中
──そして評価を落とします。
ミニサマリー
👉 任せられないリーダーは、必ず限界に達する。
Q6. 今すぐ見直すべき「リーダーの時間配分」とは?
― 「現場で働く」と「事業を育てる」
リーダーの仕事は
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ビジネスの中で働くこと
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ビジネスを育てること
この両立です。
自分に問いかけてください。
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何を自分がやるべきか
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何を任せるべきか
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任せるために、何を教える必要があるか
ミニサマリー
👉 リーダーの成果は、チームの成果として表れる。
要点整理
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昇進=リーダー化ではない
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管理と育成のバランスが成果を左右する
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任せないリーダーは必ず行き詰まる
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仕事を「やる」から「育てる」へ視点を変える
今週、あなたは何を“手放し”、誰に任せますか?
それがリーダーとしての第一歩です。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。
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