株主・顧客・社員の利害は、どこで一致するのか? ― 企業価値を最大化するリーダーが、最終的に注目すべき相手 ―
企業は誰のために存在しているのか?
株主は、将来の安定とリターンを期待してリスクを取ります。
顧客は、価値ある製品・サービスを期待してお金を支払います。
そして社員は、その価値を実際に生み出す存在です。
CEOの報酬は株価や配当と連動しがちですが、
社員のエンゲージメントがなければ、顧客満足は下がり、結果として株主価値も下がります。
ミニサマリー
👉 株主・顧客・社員は、一本の因果でつながっている。
なぜリーダーの関心は社員から逸れやすいのか?
多くの企業で、社員は「コスト」あるいは「収益を生むための道具」として扱われがちです。
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低賃金で雇い
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高く売る
この発想は、短期的には数字を作れても、長期的には人を疲弊させ、顧客体験を劣化させます。
ミニサマリー
👉 人を“手段”として見る企業は、持続しない。
極端な報酬格差モデルは、なぜ日本に合わないのか?
米国では、CEO報酬が最下位社員の数百倍になることも珍しくありません。
失敗した経営者が、退任時に莫大な報酬を得るケースもあります。
しかし、このモデルは日本では持続可能ではありません。
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人口減少
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採用難
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長期雇用志向
この環境では、人を使い捨てる経営は成立しないのです。
ミニサマリー
👉 日本では「人を大切にする経営」こそが競争力になる。
高給が出せない企業は、人材を諦めるしかないのか?
答えは「NO」です。
確かに、
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高い報酬
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良い待遇
は魅力です。
しかし、誰もがそれを提供できるわけではありません。
その場合、勝負すべきは「お金以外の価値」です。
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働く環境
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人間関係
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上司の姿勢
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文化
有害な職場で高給をもらうより、健全な環境で適正報酬を得たいと考える人は確実に存在します。
ミニサマリー
👉 人は、最終的に「環境」を選ぶ。
なぜ社員エンゲージメントは測りにくいのか?
欧米の調査では、
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エンゲージしている社員:36%
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無関心・従属的:50%
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disengaged:14%
という結果が出ています。
日本では、文化的背景から
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自己評価を控えめにする
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推薦責任を負いたくない
といった理由で、スコアが実態より低く出がちです。
ミニサマリー
👉 数字だけで、日本の職場を判断してはいけない。
社員が本当に求めているものは何か?
調査で最も強かった感情ドライバーは、「リーダーが社員のウェルビーイングに、心から関心を持っていること」でした。
重要なのは2つの言葉です。
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誠実さ(Sincere)
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ウェルビーイング(Well-being)
社員は、
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子ども
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高齢の親
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自身の健康
という複数の責任を抱えています。
仕事だけを切り取って人を見る時代は終わりました。
ミニサマリー
👉 人は「大切にされている」と感じた時に、力を出す。
それは「スローガン」ではなく、行動になっているか?
問題は、言っているかどうかではなく、やっているかどうかです。
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日々の意思決定
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上司の言動
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現場での扱い
これらが一致していなければ、社員はメッセージを信じません。
ミニサマリー
👉 文化は掲示板ではなく、行動で伝わる。
なぜコーチングとコミュニケーションが鍵になるのか?
社員が「この会社は本気だ」と信じるかどうかは、
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上司との対話
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フィードバック
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日常の関わり
で決まります。
だからこそ、リーダーのコーチング力とコミュニケーション力は、最優先で強化すべきスキルです。
ミニサマリー
👉 信頼は、会話の質から生まれる。
結論:リーダーは誰に最も注目すべきか?
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株主価値を高めたいなら
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顧客満足を上げたいなら
最初に向き合うべきは、社員です。
すべては、そこから始まります。
要点整理
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社員エンゲージメントは企業価値の源泉
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高給だけでは人は定着しない
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ウェルビーイングへの誠実な関心が鍵
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コーチングと対話力が文化を作る
あなたの会社では、 社員は「大切にされている」と感じているでしょうか?
もし確信が持てないなら、
そこが今、最優先で取り組むべきテーマです。
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