「オーセンティック・リーダーシップ」の誤解──日本企業で問われる“攻撃的上司”と“主張的リーダー”の決定的違い
「これからのリーダーは“オーセンティック(本物)であるべきだ」
あなたも、どこかで聞いたことがあるはずです。
しかし、オーセンティックであること=感情をそのままぶつけることなのでしょうか?
もしそうなら、怒鳴り散らし、部下を萎縮させる上司も「本物」になってしまいます。
それは、今の日本企業に本当に必要なリーダー像でしょうか。
Q1:「オーセンティック・リーダー」とは本来何を意味するのか?
戦後日本では、怒鳴る・叱る・物を投げる上司が当たり前の時代がありました。
終身雇用が前提で、転職は「転落」を意味していたからです。
しかし1997年の山一證券破綻を境に、「会社を変える=人生終了」ではなくなりました。
今、かつてのやり方を「自分らしさ」「本音」と正当化することは、ただの時代錯誤になりつつあります。
ミニサマリー
オーセンティック=感情むき出し、ではありません。
Q2:リーダーは「受け身」でもいいのか?
もちろん違います。
リーダーには次の役割があります。
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方向性を示す
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進捗を確認する
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成果を出させる
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称賛も、厳しい指摘も行う
問題は、どこからが「主張」で、どこからが「攻撃」なのかという点です。
上司は「主張しているつもり」でも、部下から見ればパワーハラスメントに映ることがあります。
ミニサマリー
リーダーは強くあるべきだが、乱暴である必要はありません。
Q3:攻撃的な上司と主張的なリーダーの違いとは?
攻撃的な上司の特徴
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自分の評価・昇進が最優先
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ストレスを部下にぶつける
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「上からの圧」を下に流す
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視野が狭く、全体最適を見ない
主張的なリーダーの特徴
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チームと自分の両方を守る
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上にも下にも意見を言う
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組織全体への影響を考える
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冷静さを失わない
ミニサマリー
攻撃は自己防衛、主張は組織防衛です。
Q4:なぜ攻撃的な上司は感情を爆発させるのか?
多くの場合、その正体は
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強烈なストレス
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不安定な自己評価
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コントロール不能感
です。
「感情のバケツリレー」を行い、上から受けた圧力を部下にぶつける――
これは有害なマネジメントの典型です。
一方、主張的リーダーは、
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ストレス対処法を持ち
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感情を自分で管理し
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チームの士気を守ります
ミニサマリー
感情管理は、現代リーダーの必須スキルです。
Q5:厳しい指摘は、どう伝えるべきか?
攻撃的な上司は、「本音でズバッと言うのが正しい」と考えます。
しかし現実には、
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言葉が荒い
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自尊心を破壊する
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再挑戦する意欲を奪う
結果になります。
主張的リーダーは、
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率直だが敬意を失わない
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言葉を選ぶ
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回復と成長を前提に話す
今の日本では、若手を簡単に入れ替えることはできません。
育てるしかないのです。
ミニサマリー
正直さと無神経さは、まったく別物です。
Q6:自己肯定感とリーダーシップの関係
攻撃的な上司ほど、
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自己肯定感が低い
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支配で安心を得ようとする
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恐怖を武器にする
傾向があります。
一方、主張的リーダーは、
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自分の強みと弱みを理解している
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不必要に威張らない
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人を育てることに集中する
彼らは知っています。
後継者を育てられない人は、昇進できないということを。
ミニサマリー
人を育てられる人が、組織で価値を持ちます。
Q7:今、日本で「本物のリーダー」とは誰か?
本当に求められているのは、
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正直
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透明
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自信があり
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思いやりがあり
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人を育てる
リーダーです。
「オーセンティックな暴君」は、人材を漏らす穴の空いたバケツです。
人材戦争が再開すれば、真っ先に見抜かれ、排除されるでしょう。
ミニサマリー
今の日本で、いじめ型リーダーはキャリアエンダーです。
要点整理
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オーセンティック=感情むき出しではない
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攻撃的上司と主張的リーダーは正反対
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感情管理と敬意ある率直さが不可欠
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人を育てるリーダーが、組織で生き残る
次に部下を指導するとき、自分に問いかけてください。 「これは主張か?それとも攻撃か?」
その一瞬の内省が、あなたのリーダー人生を大きく左右します。
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