日本企業の意思決定はなぜ遅いのか?― 社長が決めない国・日本で成果を出す正しいアプローチ
日本企業の社長と良い打ち合わせができた。
手応えもある。
――それなのに、話が一向に前に進まない。
この経験をしたことがある外資系幹部やコンサルタントは少なくありません。
その理由は、日本の意思決定が「社長中心」ではないからです。
Q1:なぜ日本の社長は、最終決定をしないのか?
欧米企業では、社長は極めて強力な存在です。
戦略・方向性・文化を決め、報酬は利益や株価に直結します。
しかし日本企業は違います。
社長=最終決裁者 という前提自体が、そもそも当てはまりません。
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社長は全社P&L責任者
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事業部長は自部門のP&L責任者
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勝手に他部門の予算は動かせない
つまり、社長一人で「やる」と言えない構造なのです。
ミニサマリー
👉 日本の社長は「独裁者」ではなく「調整者」。
Q2:日本のリーダーシップが独特な理由とは?
日本企業には、以下の特徴があります。
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中途採用が少ない
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新卒一括採用が主流
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年功と社内歴が重視される
これは、長期雇用を前提にした組織設計 だからです。
数十年かけて企業文化に「縫い込まれていく」ことが前提で、短期成果・個人主義・成果主義とは相性がよくありません。
ミニサマリー
👉 日本のリーダーシップは「短距離走」ではなく「長距離走」。
Q3:なぜ日本企業はこれほどリスクを嫌うのか?
答えはシンプルです。
リスクを取っても、報酬が見合わない からです。
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成功しても給与・賞与は限定的
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失敗すればキャリアに傷
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外国人=変化そのもの
欧米のように「大きなリターン」がない以上、合理的に考えて リスク回避が正解 になります。
ミニサマリー
👉 日本では、失敗のコストが成功の報酬を上回る。
Q4:「社長を説得すれば動く」はなぜ通用しないのか?
西洋的な発想では、トップを落とせば全社が動く という前提があります。
しかし日本でそれが通用するのは、
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創業社長
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オーナー社長
いわゆる「ワンマン社長」だけです。
大企業では、社長が「検討してください」と言った瞬間、案件は 一番下まで落とされます。
ミニサマリー
👉 社長面談は「スタート」であって「ゴール」ではない。
Q5:日本企業の本当の意思決定者は誰なのか?
答えは 担当者(担当・Tanto) です。
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情報収集
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競合比較
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価格妥当性
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ROI検証
すべてをこの担当者が行い、上司に説明できるレベルまで整理します。
その後、
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上司が承認
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判子(ハンコ)を押す
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次の上司へ
という 稟議プロセス が始まります。
ミニサマリー
👉 日本の意思決定は「下から積み上がる」。
Q6:なぜ判子(ハンコ)が重要なのか?
ハンコは単なる形式ではありません。
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公開された承認
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責任の所在
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関係部門への事前共有
つまり、後出し反対や混乱を防ぐ仕組み です。
実行段階で問題が起きないよう、決定前にすべてを整える文化なのです。
ミニサマリー
👉 日本の意思決定は「実行重視型」。
Q7:では、日本で成果を出す正しい進め方とは?
結論は明確です。
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トップダウンではなく ボトムアップ
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社長攻略ではなく 担当者支援
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説得ではなく 資料と論理の提供
社長との面談の最後に、「御社の担当の方と、情報整理をご一緒させてください」と依頼することが極めて重要です。
ミニサマリー
👉 日本では「下から上」が最短ルート。
Q8:なぜ担当者を味方にできないと失敗するのか?
担当者が納得しなければ、
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稟議は進まない
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熱量が乗らない
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結論は曖昧なまま消える
一見、影響力がなさそうな担当者こそが鍵。
ここを落とせなければ、結果は生まれません。
ミニサマリー
👉 日本では「最重要人物は一番下にいる」。
要点整理
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日本企業では社長が最終決定者とは限らない
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意思決定は担当者主導のボトムアップ
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稟議とハンコは実行品質を高める仕組み
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日本市場では「下から上」が最も合理的
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