リーダーシップ

グローバル案件はなぜ必ず修羅場になるのか?― 多国間・短納期プロジェクトを成功させる現実的マネジメント

時差、働き方、価値観、約束の重み、時間感覚。 それらすべてが違う人たちと、 「今すぐ」「世界同時」「完璧に」やれと言われる。

――正直、悪夢です。
しかしグローバルビジネスでは、この悪夢は増える一方です。

Q1. なぜグローバル案件は、必ず難航するのか?

理由はシンプルです。
成功の鍵を、自分でコントロールできないからです。

  • 情報は他国にある

  • 判断者は不在

  • 返信は12時間後

  • 優先順位は低い

しかも、クライアントは急いでいます。
複数市場・短納期・高期待。
頭痛が大きいほど、案件も大きいのです。

ミニサマリー
👉 グローバル案件は「依存度が高い」分、難易度が跳ね上がります。

Q2. 調達部門(Procurement)が案件を歪める理由とは?

調達担当者の世界は、ワンサイズ・フィット・オールの表計算です。

  • 全社

  • 全地域

  • 全ベンダー

同じExcelのマス目に押し込み、コスト比較をします。

あなたの事情や市場特性は関係ありません。
四角い穴に丸い杭を入れろ、それがルールです。

ミニサマリー
👉 調達プロセスは、現実を単純化する前提で設計されています。

Q3. なぜ「社内調整」が最大の敵になるのか?

皮肉なことに、一番やりにくい相手は、社外ではなく社内です。

  • 案件規模が小さく、温度感が低い

  • 面倒な事務作業としか見ていない

  • 関係構築の機会だと理解していない

しかも、こちらは忙しく、「背景(WHY)」を説明せず、価格だけを急かしてしまう

これで協力が得られるはずがありません。

ミニサマリー
👉 社内の温度差は、グローバル案件最大の摩擦です。

Q4. なぜ時間がどんどん失われていくのか?

時差は、容赦なく時間を奪います。

  • 返信待ちで半日消える

  • キーパーソンは休暇中

  • 代理の人は決断できない

その間にも、締切は迫る
遅れれば、「この会社は段取りが悪い」という印象が買い手に残ります。

ミニサマリー
👉 時間は、静かに、確実に失われます。

Q5. なぜ「資料を送ったのに伝わらない」のか?

スライドを添付し、「ここを見てください」と書いた。

それでも返ってくるのは、

  • 欲しい情報が一部欠けたデータ

  • まったく違う数字

  • そもそも未読

なぜ?
理由は簡単です。
指示が曖昧だからです。

ミニサマリー
👉 忙しい人ほど「行間」は読みません。

Q6. では、何をすべきなのか?(現実的対処法)

① とにかくプロアクティブに動く

  • 電話

  • メール

  • チャット/SNS

を総動員し、参加合意を先に取る

さらに、「誰が実務の窓口か」を必ず指定してもらう。
トップは承認、実務は現場が正解です。


② 最初に「WHY」を徹底的に説明する

  • これは何のためか

  • どれだけ重要か

  • 失敗すると何が起きるか

背景が分かれば、行動が変わります。


③ やることは「チェックリスト化」する

文章の依頼は忘れられます。
チェックリストは忘れにくい。

  • 何を

  • どの形式で

  • いつまでに

  • いくつ

具体性がすべてです。


④ 定期的に進捗確認する

「進んでいるはず」は、だいたい進んでいません。

  • 小刻みに確認

  • 早めに軌道修正

これが、修羅場を防ぎます。


⑤ ミスと誤解は“前提”として動く

共通言語が英語でも、理解度は国ごとに大きく違います。

  • 書く

  • 繰り返す

  • 明確にする

それでも足りなければ、こちらの常識で補完して締切を守る

謝罪は後からできます。
締切は戻りません。

ミニサマリー
👉 理想より、現実で勝つ設計が必要です。

Q7. どんな心構えで臨むべきか?

最初から、こう考えてください。

  • タスクは未完了になる

  • データは不足する

  • 返信は来ない

  • 締切は理不尽に短い

それが前提です。
そう思って準備すれば、ようやくスタートラインに立てます。

ミニサマリー
👉 「これは悪夢だ」と思って始めるのが正解です。

結論:グローバル案件は、覚悟と設計で乗り切る

グローバル・短納期・多国間。
楽な要素は一つもありません。

しかし、

  • 期待値を下げ

  • 具体性を上げ

  • 主導権を握る

ことで、修羅場は管理可能になります。

Action Steps(行動ステップ)

  1. 最初から「悪夢」を想定する

  2. キーパーソンと実務窓口を分ける

  3. WHYを徹底的に共有する

  4. 依頼はチェックリスト化する

  5. 進捗を細かく確認する

  6. 誤解前提で締切を死守する

要点整理

  • グローバル案件は依存度が高く、必ず難航する

  • 調達プロセスは現実を歪める前提で動いている

  • 最大の敵は、実は社内調整

  • 成功の鍵は「具体性」「主導権」「覚悟」

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。
東京オフィスは1963年設立、日本企業および外資系企業のグローバルビジネスを支え続けています。

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