なぜ部下はアイデアを出さなくなるのか? ― フラット化時代のリーダーに求められる「聴く力」 ―
「これは自分のリーダーシップとは関係ない話だ」 もし、そう感じたとしたら、少し立ち止まって考えてみる価値があります。
研修の現場で、参加者からよく聞く声があります。
「上司が忙しすぎて、話を聞いてくれない」
「意見を求められない」
「アイデアを出しても反応がない」
これらは、個人の問題というより、この20年で起きた組織構造の大きな変化と深く関係しています。
Q1. なぜ上司は、これほど「忙しく」なったのか?
過去20年で、組織には大きな2つの変化が起きました。
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組織階層の圧縮(フラット化)
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情報アクセスの民主化(インターネットの普及)
以前は、
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昇進は小さなステップの積み重ね
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責任は段階的に増加
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補佐役やサポート人材が存在
していました。
現在は、
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昇進の段差が大きい
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責任が一気に増える
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サポートが少ない
という環境になっています。
ミニサマリー
上司の「忙しさ」は、能力不足ではなく構造変化の結果です。
Q2. なぜ説明やコーチングが減ってしまったのか?
時間に追われる上司は、次第にこう考えるようになります。
「説明する時間がない」
「自分でやった方が早い」
その結果、
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対話 → 指示
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コーチング → 命令
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納得 → 作業
へと置き換わっていきます。
委任はされても、委任の“意味づけ”がされないため、うまく機能しません。
ミニサマリー
時間不足は、対話の質を直撃します。
Q3. 情報時代に、なぜ上司は部下を頼りきれないのか?
インターネットによって、情報は瞬時に、誰でも、無料で手に入るようになりました。
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市場の変化
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顧客の声
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現場の実感
これらは、実は部下の方が多く持っていることも少なくありません。
しかし、上司が
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聞く時間をつくらない
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意見を求めない
と、その情報は表に出てきません。
ミニサマリー
情報は存在しても、引き出されなければ価値になりません。
Q4. なぜ部下は、次第に話さなくなるのか?
部下は、上司の状態をよく見ています。
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常に忙しそう
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目線が合わない
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話を聞いているようで聞いていない
こうした状況が続くと、「今は話しかけない方がいい」「どうせ聞いてもらえない」と学習します。
やがて、進捗報告だけの関係になり、アイデアや提案は出てこなくなります。
ミニサマリー
部下が黙るのは、無関心ではなく自己防衛です。
Q5. 上司は本当に「聴いて」いるのか?
忙しい上司ほど、
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マルチタスク
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表面的な相づち
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必要な部分だけ拾う
といった「擬似リスニング」に陥りがちです。
部下はこれを、「ちゃんと聴いてもらえていない」と敏感に感じ取ります。
ミニサマリー
聴いているつもりでも、伝わっていないことがあります。
Q6. 最近、部下からアイデアを聞いたのはいつか?
もし、この1か月で部下から新しい提案を聞いていないとしたら、それは重要なサインです。
問いかけてみてください。
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最後にアイデアを聞いたのはいつか?
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そのとき、自分はどう反応したか?
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そのアイデアは、どう扱われたか?
ミニサマリー
アイデアの有無は、関係性の温度計です。
Q7. 部下が話したくなる上司になるには?
必要なのは、大きな制度改革ではありません。
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話を遮らない
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目を見て聴く
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すぐ評価しない
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小さなアイデアでも拾う
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実行したら必ずフィードバックする
これらは、時間ではなく姿勢の問題です。
ミニサマリー
「聴く姿勢」が、発言文化を育てます。
要点整理
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部下が話さないのは、関心がないからではない
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フラット化と情報過多が、上司の忙しさを生んでいる
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聴かれない経験は、提案意欲を奪う
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聴くリーダーだけが、知恵を引き出せる
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