プレゼンテーション

プレゼンテーションで自信をつける方法

自信があればメッセージが伝わります。

赤坂にあるデール・カーネギー・東京・ジャパンのトレーニング・ルームのドアが開き、今日のクラスの参加者が次々現れ、席についたりコートをかけたりしています。ほとんどの人が初対面なので、クラスメートとインストラクターを前に室内には緊張感が漂っています。冒頭で出席者にトレーニングの目標を定めるように伝えます。形式は現在形ですが、6ヵ月先の目標です。これには頭の体操が求められます。表現の仕方として「何々をするだろう」ではなく、「自分は~である」とするわけです。何らかの成果を上げて大成功を収めたことを前提としています。

将来プレゼンテーションを行う時期を想像して、それがどの程度成功したかを実際に起きたかのように説明しなければなりません。次に、プレゼンテーションが成功した後、自分が最後に部屋を出るところを想像してもらいます。人混みに続いてビルを出ると、出席者がプレゼンについて話しているのが聞こえます。プレゼンの内容を説明する言葉として、参加者から聞きたい特徴を3つ挙げるように伝えます。

ハイインパクト・プレゼンテーションコースの参加者に、プレゼンターとして目指す特徴を尋ねると、99%の場合「自信」という言葉が返ってきます。その他には明瞭、興味深い、プロらしい、おもしろい、やる気が出る、インパクトがある、論理的、価値がある、情熱的などです。参加者が一番求めているのが「自信」なのはなぜでしょう?

自信があればメッセージが伝わります。自信なさそうに提案すると、たちまち拒絶されます。自分すら信じられないのに、他の人があなたの言うことを信じるはずがありません。当然です。

自信はポジティブな精神状態を前提としていて、人前で話すことはネガティブに捉えられることがあります。学生時代に教室で発表してクラスメートに笑われ、永遠に自信を失った人かもしれません。それとも大学でレポートを発表して、クラスメートから質問攻めにあった経験がある人かもしれません。過去に人前で発表した時に、ひどく恥ずかしい思いをしたか、屈辱感、絶望感を味わったことがあるのかもしれません。

一般的に、緊張するのは自信がないからです。緊張することとその状態に自分を追い込むのは別物です。人はみな痛みや不快感を避けようとします。人前でプレゼンをしなければならず、非常に緊張することが分かっているなら、その状況を回避しようと自動的に逃げ道を探すはずです。迫ってくる状況を好まないからです。アドレナリンが体内を駆け巡り、息が苦しく、血の気が引いて吐き気がする状況は、できれば避けたいものです。私もそうでした。自信不足から何十年も人前で話すことを避けていました。私がきちんと考えて、不安を克服するためにトレーニングを受けたかですって? いいえ、何もせず、人前で話をしなければならないことにおののいて汗をかいては震えるだけでした。自分自身と仕事上のブランドを築き、組織を宣伝するチャンスを逃していました。

自分のしていることがわからないから自信がない、ここがポイントです。これまでやったことがない仕事、専門的で何らかのトレーニングを必要とする仕事を前にすると私たちは緊張します。人前で話すのも同じです。

赤坂のトレーニング・ルームに集まったハイインパクト・プレゼンテーションコースの参加者と同様、研修を受ければ仕事に対する力不足への不安を克服できます。人前で話す人が全員経験する不安や 、逃走症候群への対処の仕方を学びます。スピーチの構造を学べば、どんなプレゼンテーションのフォーマットでも準備できるようになります。内容を適切なフォーマットに流し込みさえすればいいのですから簡単です。もう1つのシンプルかつ重要な要素は、話のポイントを理解することです。ここに立っているのはアクションを促すためか、楽しませるためか、情報を伝えるためか、印象付けるためか? プレゼンの冒頭と締めくくりをデザインする方法、スライドを適切に用意する方法、プレゼンの方向性を定めるために聞き手を分析する方法を学ぶことなど、基本中の基本です。

インストラクターによる個人指導を加えると、すべてがうまく行くようになります。ポジティブなフィードバックしか受けないので、あなたのデリケートな精神状態はびくともしません。取り組むべきことを具体的に指示され、練習を重ねます。突破口が開かれるのは、自分自身から聞き手に軸足を移す方法を学んだときです。すぐにはできませんが、時間をかけてできるようになります。そこに到達すれば、人前で話すことへの恐怖、つまりは自分自身についての不安が消えてなくなります。

すると、自分の発言が聞き手に与えるインパクトに気づき始めるようになります。鷹のように片時も聞き手から目を離さず、アイコンタクトを用いてプレゼンの間中、一人ひとりに目を光らせていることでインパクトに気づきます。頷いている人を見ることで自信は高まり、プレゼンテーションを楽しむようになります。

トレーニングを積めば、質疑応答も怖くありません。質疑応答によって、プレゼンはルール無用の押し問答に陥りかねません。プレゼンを行っている最中は時間とアジェンダ、内容をコントロールできますが、質疑応答ではテーマに無関係な質問をされたり、たった今発言したことに対する厳しい批判、プレゼンターが専門とする題材について痛烈な非難を受けたりすることがあります。それらをコントロールすることはできませんが、答えはコントロールできます。訓練を積めば嵐を乗り切り、どんな攻撃にも耐えられるようになります。そのことを知っているだけでも、プレゼンに自信を持つことできます。

是非ともトレーニングを受けてプレゼンの際の自信を高めてください。とても簡単です。受講後は、もっと早くトレーニングを受けなかったことを悔やむはずです。スキルが身について満足ですが、正当な理由なく多くの時間とチャンスを逃したのは残念です。でも、遅くても何もしないよりはましです。さあ始めましょう!

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