リーダーシップ

チームにおける責任感

リーダーであるあなた自身から始めましょう

チームメンバーに責任感を持たせることはリーダーの基本の1つです。彼らは仕事に悩み、締め切りが過ぎても気付かず、物事が忘れられたり、見過ごされたりし、仕事で満足いく結果が出せない。これらの理由は何でしょう?彼らは仕事に失敗しようとして失敗しているのではないのに、仕事ぶりが悪く、責任感に欠けているためにチームを失望させてしまっています。リーダーとして私たちはどうしたらよいでしょう。

 

まず、リーダーである自分自身から始める必要があります。私たちが持っている最も重要なリソースは自分の時間であり、その利用方法です。マネージャーの時間管理が下手だと、自分自身の生活とチームメンバーの生活に不必要なストレスを与えてしまいます。自分自身、きちんと整理ができていないため無理な仕事の期限を押し付けたりします。ストレスがたくさん溜まり、チーム全体にも伝染してしまいます。リーダーのストレスはすぐに感情コントロール機能に影響し、職場の雰囲気をあっという間に明るくしたり、暗くしたりします。

 

リーダーの時間管理が下手な理由は、自分自身の優先順位をうまく決められないからです。また、走り回っているのは多くのことをやろうとし過ぎているからです。こんなに忙しいのは、チームメンバーに仕事を正しく任せられていないからです。一度任せてみたら間違いや問題があって、やり直しする羽目になった。だから「自分でやった方が早い」と決めた。これでは誤ったアクションです。自分だけですべてのことができるわけではないのですから。チームの能力を最大限に活用しなければなりません。また、仕事を任せることは継承者を育成するための重要なドライバーでもあります。リーダーの仕事をいくつか与えることで、英才教育を始めることができるのです。

 

業務依頼はうまく行かないと思ってしまう理由は、誤ったやり方で行っているからです。正しいやり方で行えば、自分しかできない仕事に時間を使うことができるようになります。その仕事の1つがチームメンバーのコーチングです。チームメンバーをコーチングしていると思い込んでいるリーダーがいますが、実際には指令を与えているだけです。チームの責任感は、リーダーが彼らのコーチングに投資する時間と労力の量と密接に関係しています。

 

以前より良い成果を出したかったら、何か新しいことをするか、従来どおりでも少しやり方を変えて行ってみるのです。これは変化を意味しますが、チームメンバーはこのような変化に対して抵抗するかもしれません。彼らは自分たちのコンフォート・ゾーン(居心地の良い領域)から抜け出したくないから抵抗するのです。彼らに上を目指してもらいたかったら、私たちが彼らをコーチングして、業務依頼をし、結果に対して責任を持ってもらうようにしなければなりません。

 

時間ができれば、進行状況を監督したり、マイルストーンの達成状況を確認したりできるようになります。組織の上層部には予期しない悪いニュースは決して歓迎されません。チームの誰かが締め切りを逃した、品質基準を守れなかった、規制を遵守していないといった事態が発生した時に上層部に報告する羽目にはなりたくないものです。

 

業務依頼とはチームメンバーに仕事を押しつけることではありません。なぜ、何を、どうやってやるのかについて説明するには時間がかかるものです。でも、彼らにオーナーシップを取ってもらい、このことが成功につながる足がかりとなるということを分かってもらうようにすることなのです。これによって、その仕事に対するオーナーシップの感覚が生まれ、その結果、責任感が強まるのです。これはその仕事をやり遂げるまで絶えずコーチングすることであり、得はあっても損はなし、です。

 

もうお分かりですね。チームに責任感を生み出すには、リーダーであるあなた自身から始めましょう。自分の時間を管理できるようになれば、より効果的なリーダーとしての役割を果たすことでき、チームとのコミュニケーションを向上させる時間を確保できるようになります。きちんと管理できるようになれば、自分がやると宣言したことを実行できるようになり、自ら有言実行を果たすことができるようになります。そして、このことによってチームメンバーはあなたに信頼を置くようになるのです。チームに実行を求めるのなら、自ら実行しなければなりません。すなわち、彼らにキャリアを伸ばす機会を与え、コーチングを通じてサポートし、感情を常に一定に保ち、行動やコミュニケーション方法に一貫性を持つのです。これは、時間の管理が下手だったり、自分で多くをやろうとし過ぎてストレス漬けになったりすることがなければできるはずです。私たち自らが変わらなければならないのです。新しい、以前よりも良い習慣を身に付け、より優れたリーダーとなることを目指しましょう。

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