セールス

弁護士がセールス下手な理由と、上手にならなければならない理由

顧客の奪い合いをしている同業との差をここで一気につけましょう

弁護士は司法試験に受かるための勉強に多くの時間を費やします。司法試験に受かったら、大手の法律事務所の雇われ弁護士となり、晴れて表舞台に出られるようになるまでガレー船の奴隷のように骨の折れるつまらない仕事を何年も行います。その後昇進を重ねようやく顧客と直接話をし始めるようになりますが、それから2、3年後、実際に外に出て顧客を獲得しなければならなくなります。法律事務所のトップは稼ぎ頭として、事務所が提供する専門サービスに多額の報酬を支払ってくれる顧客を獲得します。

弁護士は自らの業績、勉強、法律に関する知識、そして頭脳に対して誇りを持っています。そして顧客にもこれらをすべて高く評価してもらい、その結果として仕事を与えてくれることを期待します。これは弁護士畑で学ぶ「資格至上主義的な」セールス方法です。「知識は貴重だ。私には知識があるから、あなたはあなたが直面しているさまざまな問題を整理するのを私に手伝ってもらう必要がある。私はあなたが必要とするものは持っているから、説得力や人を惹きつける魅力は必要なく、好かれなくてもよいのだ」、と。

昔はこれが弁護士業のやり方でした。元ガリ勉の弁護士軍団が難しい法律知識を携えて企業に乗り込んできていました。時代は変わり、弁護士の数は増え、みな競って分け前にあずかろうとしています。顧客側もよく勉強するようになり、とりわけ高額な支払い請求に対して疑問を持ち、見きわめができるようになりました。

このように買い手側の選択肢が増えたら顧客はどうするでしょうか。もちろん、ほかの買い物をするときと同じことをします。「知る、好きになる、信用する」の規則を適用するのです。法律事務所について知りたい場合、過去の仕事ぶりや、どれだけ信頼できるか、この特定の分野における専門知識のレベルなどについて信用できる人に尋ねます。顧客にとって判断材料となる業績がない場合、この「知る」というプロセスでは、セールス業界の「売り込み電話」と同じようなことをする必要があります。法学部で「勧誘セールス」の講義などありませんよね?

「好きになる」の部分は、医者による「患者の扱い方」の弁護士版のようなものです。日本の医者はこのスキルを完全に習得しているとはまだ言えませんが、ほとんどの先進国では医者は人の扱い方に長けていなければなりません。きちんと挨拶をし、緊張を和らげ、診断が正しいものであることを保証し、診断に対する患者の信頼感を強めます。

これは弁護士という職業にもよく当てはまります。なぜなら同じようにこれらすべての手順を踏むことで、依頼主から「好きになる」と「信用する」という結果が得られるからです。診断という部分には、「聞く」と「質問する」という2つの大切なスキルが必要とされます。しっかりと考えられた質問によって、顧客が求めていることが明らかになります。これはセールスの基本です。

解決案を伝える際は、顧客の信頼を得るという重要なスキルが必要とされます。顧客は特定の問題に関する細かい法律的な意味合いなど詳しくないかもしれません。ですから、相手が理解し、自分と関連付けられるように複雑なことを説明できる能力が必要となります。これは基本的なセールス・スキルです。弁護士のような技術的な専門家は詳細部分につい夢中になり、熱心に説明し始めたりします。

これはセールスの世界でいう商品や解決案の特徴に関する説明です。弁護士の多くは自分たちの仕事はここで完了と思ってこの時点で止めてしまいがちですが、これは大きな間違いです。成功しない営業担当者の場合も同じです。そうではなく、解決案の特徴にはそれぞれに付随するメリット、これらのメリットの応用、そしてそれによってビジネスにどのような効果があるかについて説明する必要があります。別の事案でこの方法が成功した証拠となる事例をいくつか順に示して弁論を続け、営業クロージング手法を使って企業に尋ねます。

法学部の講義に「営業クロージング手法」なんてありましたっけ?ないですよね。また顧客のためらいや反対意見の扱い方に関するものもありません。でも、これらはセールスの世界では必要な要素です。なのに、弁護士は自分たちが推奨することについて買い手を説得するには何が必要かということに気づいていないのです。

弁護士もみなセールスに携わっています。ただ、そのことを知らないだけなのです。優れたセールス・チームに属しているわけではありません。間違ったことを言って、誤ったアプローチを使い、スキル不足で、買い手の扱い方についてよく勉強していない、失敗する営業担当者と同じ分類に属しているのです。最近は、法律関連のサービスについても買い手には選択肢が溢れるほどあります。彼らはすでに知っていること、好きなもの、信用できるものに引きつけられます。弁護士のみなさん、セールス・スキルの大切さをご理解いただけたでしょうか。ぜひ、デール・カーネギー・トレーニングの効率的なセールス・トレーニングをご受講ください。気づかないまま、残り少ない顧客の奪い合いをしている同業との差をここで一気につけましょう。

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