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ピンクの象(イメージ)で人を動かす

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 ピンクの象を想像してはいけません。でもタイトルを読んで思い浮かべましたよね? 私たちが簡単にイメージに左右される証拠です。ピンクの象という文字を想像してはいけませんと言った方が良かったかもしれません。違いは何でしょう。両方とも想像を意味しています。人間は非常にイメージに影響され​やすいのです。周りの人に影響を与えようする時に使うことはあまりありません。
 
人間は意志、願望、ステータス、美辞麗句、個人的パワー、コネ、富こそが人を動かすものだと考えます。さまざまな環境の中で機能するものもありますが、ほとんどは普通の人に​は手が出ません。他にできることはあるでしょうか? 「イメージの力を借りて」成功を収めることが可能です。会話にイメージを採りいれて相手を説得し、自分の考えに同意する ようにします。
 
相手を自分のアイデアに同意させることが人を動かすことであり、話術は自分のアイデアを相手に説明する強力な武器です。しかしながら、冗談を言うのと同じように、ほとんどの人は話術も人並みです。冗談を言って相手が笑う、ストーリーを伝えて相手を説得する、と聞けば簡単です。しかし、冗談を言ったり、ストーリーを伝えたりするのが得意な人はわずかです。全く計画を立てないからで​す。
 
プロのコメディアンは途方もない時間をかけて話す内容を磨き、タイミングや話し方をものにします。落語を聞いたことがある人なら、落語家がどれほど切磋琢磨しているかわかるでしょう。座布団にすわって手に扇子、それだけです。あとは落語家が話す内​容とその話し方次第で決まります。落語家は何もないところに複数の人物、場所、状況、会話を登場させます。
 
私たちはといえば、普段から時間をかけて人を動かす能力を高める機会があまりありません。ストーリーの内容に磨きをかけることもなければ、最大限​の効果を上げるために、何度も話し方を練習することもありません。思いついたことを口に出して、誰にも見向きもされず、落ち込むのです。
 
人を動かす強力な武器になるシンプルな方式があります。良いアイデアはそこから生まれます。アイデアの根拠となるも​のに説得力があるからです。自分のアイデアが、相手の感情や論理に訴えないのであれば、相手にバリューを納得してもらえません。これはデリケートなやり方です。自分のアイデアを押し付けることは、相手に自分の考えを受け入れてもらおうとする時に使うよく使われる手段です。しかしこのやり方では、逆に疑問、批判、悪意 を生むだけです。最初から、相手のことをポテンシャルがある聞き手だということを認識することです。
 
最初から自分の言いたいことを言ってはダメです。「収益拡大に向けて、今すぐ営業職の採用を増やすべきです」と、あなたは熱っぽく語ります。この大胆な​経営計画に対し、聞き手は全員即座にそのアイデアはナンセンスだと批判し、うまく行かない理由をいくつも挙げてきます。そうではなく、ストーリーの中にイメージを思い描き、聞いている人が先回りするよう仕向けることが必要です。収益拡大のために採用を増やすべきという結論を、聞く人自身が導くようにしたいのです。話の​最後に提案する頃には、相手はすでに結論をだしており、わかりきった答えに辿り着くのになぜこんなに時間がかかったのかと疑問に思っているはずです。戦わずして勝つ。この場合は知恵と知力の戦いです。
 
聞き手が頭に思い描ける場面を、ストーリーに盛り込​むべきです。例を挙げてみます。
 
「先週の金曜日、赤坂にある本社の44階で、CFOオフィスの田中さんとコーヒーを飲みながら、先日社長が発表した5年間の収益目標について話をしました。 CFOオフィスは、コンピュータによるこの5年間の業績のシミュレーション分析を終えたばかりです。興味深いことに、営業職1人当たりの売上が、平均で年間4000万円に上ったことが明らかになりました。セールスチームの新人の鈴木さんでさえ、初年度の本人の人件費を上回ったと聞いて驚きました。私は、新人というのは会社にとってコストがかかるばかりだと思い込んでいたからです​。
 
田中さんはその日の午後に行われる別のプレゼンテーションの準備に忙しく、47階にできた新しい豪華な取締役会室に案内してくれました。
 
彼女はラップトップを起動すると、取締役会室​の巨大な65インチのモニターで、営業職による毎年の収益の平均伸び率が50%であることを示すグラフを見せてくれました。3年目になる頃には、営業職がかなりの収益を上げるようになることを私は知りませんでした。
 
新人も自分の人件費をカバーし、3年​目には本当の成果が出てくると知って目から鱗でした。
 
5年目標を達成するには、今すぐ営業職の採用を増やすべきです。
 
そうしたとしても、今年はコストがかからず、3年目には我が社が必​要とする数字を上げるようになるはずです。」 
 
このストーリーを話すのにかかった時間は1分強です。聞き手が我慢して聞くことはありません。私は、よりリアルにするために、聞き手が特定できる人物、場所、イメージを盛り込んで、最後の最後でアクション​を呼びかけました。「採用」に言及し、その行動によるメリットとして、「我が社が必要とする数字」という表現でストーリーに花を添えました。
 
人を動かそうとするときに「いきなり」は禁物です。発言内容を綿密に練り練習して、簡潔かつ聞き手が理解できる​ようにします。そうすれば、聞き手はあなたの提案やアイデアに賛同します。それが全員の目標ですよね。
 
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