プレゼンテーション

なぜ一流企業の役員でも“読み上げプレゼン”でブランドを壊してしまうのか — デール・カーネギー東京

なぜ1分間の原稿読みが、役員の信頼性を一瞬で失わせるのか?

大手企業のベテラン役員が、たった1分間の会社紹介をA4用紙を見ながら読み上げていたら、あなたの印象はどうでしょうか?
「この会社、大丈夫か?」と思うはずです。

プレゼンスキルが高度化した現代、NetflixやDisneyのような高品質コンテンツに日々触れている聴衆は、素人感のある話し方に極めて厳しくなっています。

ミニサマリー: 原稿読みは、役員の存在感だけでなく企業ブランドも一瞬で毀損する。

なぜ現代の聴衆は、これほど集中力が続かないのか?

聴衆全員がスマートフォンという“別世界”を手元に持っています。
話し手の質が低ければ、即座にメール、SNS、ニュース、動画へ逃避できます。

最近参加したイベントでも、隣の参加者は、
スマホ → iPad → ノートPC
と次々に開きながら話を“片耳”で聞いていました。

これこそ話し手にとって最大の悪夢です。

ミニサマリー: 並の話し方では、デジタルの誘惑に勝てない。

なぜ優秀な役員ほど、原稿にしがみついてしまうのか?

例の役員は「英語が不安で…」と言いました。
しかし直前の雑談では見事な英語を使っていたのです。

つまり、問題は英語力ではなく“完璧主義による恐怖”でした。
英語は世界中で非ネイティブが主に使う言語であり、多少の文法ミスがあっても、相手は問題なく理解できます。

ミニサマリー: 聴衆が気にするのは完璧さではなく“伝わる熱量”。

恐怖はなぜ話し手の視野を奪ってしまうのか?

恐怖の正体は「自分中心の意識」です。

  • 間違えたらどうしよう

  • 発音が変だったら?

  • 文法ミスがあったら?

この状態では、聴衆の存在が目に入りません。
しかしトレーニングを続けると、自分への意識が薄れ、自然と聴衆への意識が高まります。

ミニサマリー: 自分から離れ、聴衆に意識を向けることでプレゼンは劇変する。

本来その役員はどうすべきだったのか?

理想的には次のように振る舞うべきでした。

  1. 原稿を手放す

  2. 明るく、エネルギッシュに話す

  3. 聴衆と積極的にアイコンタクト

  4. 小さなミスは気にしない

  5. 聴衆分析(今回は日本人が多く、非ネイティブ英語のほうが理解しやすいケース)を行う

そうすれば、個人ブランドも企業ブランドも守られ、むしろ強化されていたはずです。

ミニサマリー: 語学の完璧さよりも、情熱・接続・聴衆理解のほうが圧倒的に重要。

なぜ企業は“未訓練の話し手”を公の場に出してはいけないのか?

企業ブランドは一瞬で損なわれます。

  • 役員の印象が悪くなる

  • 企業の信頼度が下がる

  • 将来の取引にも影響する

だからこそ、企業は話し手を適切にトレーニングし、
“ブランド大使(Brand Ambassador)”として送り出す必要があります。

ミニサマリー: 未訓練の話し手は企業にとってリスク、訓練された話し手は資産。

要点整理

  • 原稿読みはプロフェッショナル・ブランドを大きく損なう

  • 現代の聴衆はデジタルの誘惑と戦っており、並の話し方では勝てない

  • 恐怖の原因は能力不足ではなく完璧主義

  • ミスを恐れず、聴衆に意識を向けることが最重要

  • トレーニング次第で誰でも企業ブランドを高める話し手になれる

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デール・カーネギー・トレーニングは1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、100年以上にわたり世界中の企業と個人を支援しています。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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