本当に役立つプレゼンフィードバックの集め方 — 聴衆の反応を読む・動かす・データを取る技術
「どうでした?」は、最悪のフィードバック質問である理由
プレゼン終了後、多くの人が仲間や同僚に「どうだった?」 と聞きます。
しかし:
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関係性
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礼儀
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日本的な“建前”
があるため、あなたのプレゼンがひどくても正直に言ってくれる可能性は低い。
日本企業・外資系企業のリーダーに必要なのは:
美辞麗句ではなく、成長につながる客観的フィードバック。
ではどうやって手に入れるのか?
ミニサマリー:
本音のフィードバックは、友人からは得られない。聴衆の反応から読み取る。
リアルタイムの客観的フィードバックは“目線”から得られる
アイコンタクトは、単なるスキルではなく「生きた反応データ」 です。
活用ポイント:
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会場は明るくする(暗いと表情が読めない)
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できるだけ多くの顔を見る
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小さな反応をリアルタイムでキャッチする
注目すべき反応:
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前傾姿勢 → 興味・納得・前向き
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後傾姿勢 → 疑い・拒否感・不満
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無表情 → 日本では“集中している”ことが多い
大量の前傾姿勢が揃うと、会場のエネルギーが一気にあなたに集まります。
ミニサマリー:
アイコンタクトを使えば、聴衆の本音がリアルタイムでわかる。
日本での「表情読み取り」は特に難しい理由
日本のビジネスパーソンの多くは:
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「真剣に聞いている顔」
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「よく分からない・納得していない顔」
がほぼ同じ表情です。
例:
神戸の講演で、ある男性は終始“この話はダメだ” という顔をしていた。
ところが終了後、勢いよく走り寄ってきて「最高でした!」と大絶賛。
教訓:
日本人の無表情は“否定”ではない。深い集中の表れでもある。
ミニサマリー:
日本では表情が読みにくい。無表情はネガティブと決めつけない。
うなずきを誘導し、共感を可視化する方法
うなずきは:
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賛同
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信頼
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一体感
を示す最強のシグナル。
誘導方法:
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自分がうなずきながら話す
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同意前提のメッセージを投げかける
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リズムをつくる
聴衆は自然とミラーリングをします。
ミニサマリー:
うなずきは“起きるもの”ではなく、“起こすもの”。
日本の聴衆を動かすには、行動を最小限に設計する
日本の聴衆は、「講演中に自分が動く」という発想がほぼゼロ です。
だからこそ、慎重な設計が必要。
有効な手法:
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集中力を高めるための“修辞的質問”
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実際に手を挙げる質問は数回だけ
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自分が先に手を挙げて見本を示す
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答えが100%「はい」になる質問だけにする
例:
「そろそろZoom会議に疲れてきた、という方は手を挙げてください。」
30分の講演なら2回までが理想ライン。
ミニサマリー:
日本での参加型プレゼンは“少なめ・簡単・全員YES”が鉄則。
同伴者からフィードバックをもらう正しい方法
聞いてはいけない質問:
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「どう思った?」
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「良かった?」
代わりに:
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「どこがうまくいっていた?」
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「次に改善できる点はどこ?」
もっと具体的には:
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「オープニングは、他のことを考える暇を与えないほど効果的でしたか?」
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「開始前に出会った方の名前を紹介したのは、つながり作りに役立ちましたか?」
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「最後のまとめで、メインメッセージを思い出しやすくなりましたか?」
具体的な質問 → 具体的な答えが返ってくる。
ミニサマリー:
良いフィードバックは、具体的な質問からしか生まれない。
アンケートは“講演中に”取るのが正解
講演後にアンケートをお願いしても、反応率は壊滅的。
正しい流れ:
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各テーブルにQRコードの紙を置く
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終盤でこう言う:
「1分だけアンケートにご協力ください。その後、最後の特別スライドをご紹介します。」
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1分間、話すのを完全に止める
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回答が終わったらボーナススライドへ
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最後に再度まとめて終了
これで回答率が一気に上がります。
ミニサマリー:
アンケートは“今やってください”と言って時間を確保することが成功のカギ。
要点整理
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本当のフィードバックは、友人ではなく聴衆から目線で得る。
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前傾=肯定、後傾=否定、無表情(日本)=判断保留。
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うなずきは誘導できる。
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日本の聴衆へのアクション要求は少なめが正解。
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具体的な質問で具体的なフィードバックを得る。
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アンケートは講演中に1分確保して実施するのが最も効果的。
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聴衆の反応を読む技術
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反応を引き出す技術
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改善につながるフィードバック取得法
を体系的に習得できます。
デール・カーネギー・トレーニングは1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなどで100年以上世界の企業を支援してきました。
東京オフィスは1963年設立以来、日本企業と外資系企業のリーダー育成を支え続けています。