なぜ優秀な話し手のプレゼンでも眠くなるのか? ― 聞き手を逃がさない「構成設計」の決定的ポイント ―
ランチタイムで眠くなるプレゼンは、何が危険信号なのか?
ランチタイムのプレゼンテーションで眠くなる。
それは非常に危険なサインです。
食後ならまだしも、食事中に眠くなるということは、内容が脳に届いていない証拠です。
実際、多くの講演者は次の条件を満たしています。
-
声量は十分で、聞き取りにくくない
-
専門知識があり、経験も豊富
-
日常業務そのものをテーマに話している
それでも聴衆は離脱します。
問題は「話し方」ではなく、「構成」にあります。
ミニまとめ:
眠くなる原因は、話し手の能力不足ではなく、プレゼン全体の設計ミスにある。
なぜ構成が悪いと、聴衆は一気に離脱するのか?
話が「流れない」プレゼンは、聞き手に過度な負荷をかけます。
人は忙しいため、理解する努力を放棄すると、即座に意識を外に逃がします。
-
話題が飛ぶ
-
何が重要かわからない
-
全体像が見えない
この状態では、聴衆は「考える」のをやめます。
スライドがないランチ講演では、なおさら構成力そのものが問われます。
話し手のメモが整理されていなければ、聞き手は迷子になります。
ミニまとめ:
構成が弱いプレゼンは、聴衆に「考えさせすぎる」ため、離脱を招く。
プレゼンは「スライド作成前」に何を決めるべきか?
優れたプレゼンは、スライドより前に設計されています。
最初に行うべきは、これです。
「この話で、何を一番伝えたいのか?」
それを一文で言い切ること。
この作業は簡単ではありません。
しかし、ここを磨くことで、話全体に驚くほどの明確さが生まれます。
また重要なのは、オープニングは最後に作ること。
導入の役割は「脳に割り込む」ことだからです。
ミニまとめ:
プレゼン設計は「結論の一文」から始め、オープニングは最後に作る。
「中身(ボディ)」はどう設計すれば伝わるのか?
オープニングとクロージングの間、ここが設計の核心です。
考え方はシンプル。
本の「章」構成をイメージしてください。
-
各章は論理的な順序で並ぶ
-
章同士が自然につながる
-
すべてが中心メッセージに戻ってくる
作り方はこうです。
-
中心メッセージを置く
-
「なぜそれが正しいのか?」と問う
-
出てきた理由・証拠・経験を書き出す
-
順序を整える
ミニまとめ:
ボディは「章構成」で設計し、すべて中心メッセージに回収する。
使いやすいプレゼン構成パターンには何があるか?
以下は、ビジネスで特に使いやすい構成例です。
-
過去 → 現在 → 未来
-
全体像(マクロ)→ 詳細(ミクロ)
-
メリット → デメリット
-
証拠ごとに章を分ける
どれを使うかより重要なのは、**順序(シーケンス)**です。
章と章の間には必ず「橋渡し」を入れます。
-
次に何の話をするのか
-
なぜ今それが重要なのか
これを怠ると、聴衆は置いていかれます。
ミニまとめ:
構成パターンよりも重要なのは、章の順序とつなぎ方。
スライドがない場合、どうやって理解を助けるのか?
スライドは理解を助けますが、必須ではありません。
代わりに必要なのが言葉による映像(ストーリー)です。
-
具体的なエピソード
-
現場の描写
-
人物・状況・変化
ストーリーは、聞き手の頭の中に「映像」を作ります。
これがないプレゼンは、記憶に残りません。
ミニまとめ:
スライドがない時こそ、ストーリーで「言葉の映像」を作る。
まとめ:聴衆を眠らせないプレゼン設計の原則
-
スライド前に「伝えたい一点」を決める
-
構成は章立てで設計する
-
章の順序とつなぎを意識する
-
常に「それは聞き手に何を意味するか?」に答える
注意力が奪い合われるディストラクションの時代。
構成を誤った瞬間、聴衆はあなたから離れます。
逆に言えば、設計を正せば、プレゼンは劇的に変わります。
👉デール・カーネギー・東京に、プレゼンテーション研修無料相談をお申し込みください。
プレゼンテーション研修・構成力強化・エグゼクティブ向け指導にご関心のある方は、ぜひご相談ください。
聞き手を惹きつけ、行動を生むプレゼン設計を、体系的に身につけていただけます。
デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。
東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。