なぜ日本では部下が上司の指示通りに動かないのか?― 日本企業における委任と協力を引き出すリーダーシップ
「これは良いアイデアだ!」 そう思った瞬間、あなたは部下の席に向かい、その“天才的ひらめき”を共有します。
ところが、部下の反応は鈍い。
返事は曖昧、行動は遅く、気がつけばプロジェクトは自然消滅──。なぜ日本では、上司の期待通りに物事が進まないのでしょうか?
Q1. 日本は上下関係が厳しいのに、なぜ指示が通らないのか?
日本社会には、年齢・役職・年次による明確なヒエラルキーがあります。
それでも、部下は上司の要望を「正面から拒否」することは稀です。
代わりに起こるのが、
・後回し
・進捗が止まる
・確認を先延ばしにする
という 静かな抵抗(消耗戦) です。
彼らは、忙しい上司がいずれ忘れることを知っています。
ミニサマリー:
日本では「No」と言わずに、行動で拒否する文化が存在します。
Q2. 「命令すればいい」はなぜ通用しないのか?
「私は上司だ」「給料を払っている」、理屈としては正しくても、日本の労働環境では通用しません。
日本では、
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軽微な業務拒否で解雇はできない
-
裁判所は労働者側に立つ
という現実があります。
脅しや圧力は、協力を生むどころかエンゲージメントを破壊します。
ミニサマリー:
権限による強制は、日本では最も効率の悪い方法です。
Q3. なぜ「情熱的に説明」すると逆効果になるのか?
上司はこう考えています。
「成果」「メリット」「将来性」「面白さ」
一方、部下が最初に考えるのは、「今の仕事量」「締切」「残業」「失敗リスク」です。
突然持ち込まれた“新しい仕事”は、彼らにとって 負担の上乗せ にしか見えません。
ミニサマリー:
上司のワクワクと、部下の現実はまったく違います。
Q4. 協力を引き出すために、最初にやるべきことは何か?
いきなりアイデアを語る前に、まず 相手の現在地を把握 しましょう。
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今、何に取り組んでいるのか
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どこが詰まっているのか
-
優先順位はどうなっているのか
これを理解せずに委任すると、ほぼ確実に失敗します。
ミニサマリー:
準備なき委任は、抵抗を生むだけです。
Q5. 日本の部下が動けない本当の理由とは?
多くの日本人社員は、
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完璧主義
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失敗回避志向
-
「やりながら考える」ことへの恐怖
を強く持っています。
未知の仕事=失敗の可能性という構図が、行動を止めているのです。
ミニサマリー:
能力不足ではなく、心理的ブレーキが原因です。
Q6. では、どうすれば人は動くのか?
ポイントは3つです。
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背景と目的を丁寧に説明する
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やり方を一緒に考えてもらう
-
失敗の責任は上司が取ると明言する
「丸投げ」ではなく、「一緒に進める」という姿勢が不可欠です。
ミニサマリー:
安心感が生まれた瞬間、人は動き出します。
Q7. 結果を出しながら信頼も守るには?
重要なのは、
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情熱を抑える
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売り込み方を考える
-
命令ではなく納得をつくる
このアプローチなら、成果を出しながら、エンゲージメント・忠誠心・信頼を損なうことはありません。
ミニサマリー:
仕事を動かすのは熱量ではなく、設計です。
要点整理
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日本では「直接拒否しない抵抗」が起こりやすい
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権限や圧力では人は動かない
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部下は仕事量と失敗リスクを最優先で考えている
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委任とは「売り込み」であり「共同作業」である
部下が動かないのは、能力の問題ではありません。 伝え方と関わり方を変えれば、結果は変わります。
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